研究室の学生が、アプリ選手権で「日本航空特別賞」を受賞!

本学では、長年に渡り、アップル社(クラリス部門)と「キャンパスプログラム」を結んでいます。これにより、授業で使用するすべてのデスクトップPCに「FileMaker」がインストールされています。授業科目としては「ユーザインターフェース」などで利用しています。

その「ユーザインターフェース」を受講して、私の研究室に在籍している岡本君がFileMakerを使って作ってくれたのが、入退室管理アプリの「EaLL」です。コロナ禍で、大学では研究室における学生の入室記録を求めています。それまでは、紙に書いていたのですが、管理が煩雑でした。そこで、岡本君が手がけてくれたのが、EaLLでです。

このEaLLが「FileMaker選手権2021」で「審査員特別賞:日本航空特別賞」を受賞しました!ありがとうございます。なお、岡本君は大学の「FileMakerサークル」の代表なので、エントリーにはサークル名を記載しました。

■ FileMaker選手権2021:

実は中々凝ったシステムですが、操作はシンプルです。研究室に入るとEaLLアプリを開いたiPadがあります。画面には研究室のQRコードが表示されます。自分のスマホでEaLLを開くとQRコードの読み取りボタンがあります。タップしてiPadに表示されているQRコードを読み取れば入室完了です。FileMakerサーバー上にいつ、誰が入室したのかが記録されています。

素晴らしいのがユーザー登録機能。アプリの初回起動時にiPhoneの端末IDを取得して、記録に無いIDの場合は新規ユーザとしてユーザー登録を求めます。この際、普段使用する交通機関なども登録しておきます。2回目からは変更が必要な項目のみ入力すれば良いので、ほとんどはQRコードを読み取るだけで作業が済みます。

そんな簡単操作なEaLLですが、実は研究室にあるFileMaker Serverでシステムを稼働しています。先のiPadもユーザーが使用するiPhoneアプリもサーバー上のソリューションを開きます。ちなみに、iPadの画面に表示するQRコードは端末の画面サイズを元に判定してiPhoneと異なる処理を行なっています。通常であれば、サーバー上のFileMakerソリューションを開くためには、端末のFileMaker Goを起動して、サーバーにアクセスしてから該当アプリを選ぶ必要があります。これでは不便です。そこで、研究室の大学院生が考えたのが、iPhoneの「ショートカット」アプリを使う方法。これで、サーバー内にあるアプリを直接起動することが可能になり、ショートカットアイコンをホーム画面に置いておけば、通常のアプリを開くのと同じ手順で操作することができます。

EaLL操作状況:(動画)

最新バージョンのOSが未だに動く研究室のMacBook Air 11インチモデル

研究室を立ち上げた際に、学生用に購入したMacBook Airの11インチモデル。2015年製造で、6年も前のモデルなのだが、見事に最新OSにアップデートできる。しかも、動作が軽い。実は、ひとつ前のバージョンだった際に、学生が「動作が重くなってきました」とのことで、Shift Key押しっぱなしでセーフブートしてキャッシュをクリアしたところ、その後は軽快に動作するようになりました。

今回も、OSアップデート後セーフブートして再起動したら軽快でした。これが最後のメジャーアップデートかもしれませんが、最新アプリが使えるのは嬉しいですね。Macは価格が高いと思われるかもしれませんが、6年間使えば十分価値はあると思います。実は、6年前は円高で、このモデルは、びっくりするほど安価だったんですけどね(笑)。それにしても、ケースぐらいは新調しましょうかねえ。

【曽我研究室×支笏湖小学校】 みんなで作ろう!支笏湖であえる「ゆるキャラ」ずかん

10月5日に支笏湖ビジターセンターで実施した,支笏湖小学校と本学(曽我研究室)の取り組みについて,本学地域連携センターのページでも紹介していただきました。iPadと市販の「らくがきAR」アプリで作成した子供達の作品動画にリンクを貼ってあります。よろしければご覧ください。

新しい MacBook Pro

新しいMacBook Proのスタイリングを見て、思い出したのが、同じく黒いキーボードを装着した時代の MacBook Pro。メモリースロットやMagSafeなど、当時の MacBook Proも同様の機能を備えていた。その意味では、ちょっと物足りなさを感じる。

一方で、素晴らしいディスプレイやマイクなどは遠隔授業や写真編集などで活かせそう。おそらく、映像編集のプロを意識しているのだろうな。間違っても、Microsoft Officeだけを使う人をターゲットにしたわけではないだろうな(笑)。

さて、自分はどうなのだろう。既にディスプレイはEIZOの27インチを使っているし、マイクはSHUREを接続している。不満があるとすれば、Zoom録画をしている際にウィルスチェッカーが動くと、作業にならないほど遅くなるということぐらい(笑)。これらの環境を持ち運ぶことは出来ないが、そうした場合はiPad Proを使っている。画像編集などはiPad ProのPixelmator Photoか、写真アプリで十分。

ただ、研究室レベルでは少し状況が違う。来週発表されるmacOSでCreate 3Dが実装されるはず。これを使えるアプリが出揃えば、iPhone(できればPro)やiPad Proで撮影した写真から3D/ARモデルの出力が可能になる。その場合に、M1 ProやM1 Maxのパワーがどの程度実力を発揮するのか知りたい。現場である程度出来上がりを確認するのであれば、研究室に MacBook Proが一台あってもいいと思う。

ということで、様子を見る、というのが今回の結論のようだ(笑)。

iPadで支笏湖小学校の活動を支援

先日(2021/10/05)、千歳市にある支笏湖(国立公園)ビジターセンターで、千歳小学校(全校児童10名)の児童(1年生から6年生、5名が参加)らに一人一台づつiPadを使ってもらい、アクティブラーニングをしてもらいました。私の研究室の学生(情報システム工学科の4年生、大学院生)らが企画を行い、支援に付きました。活動の様子をNHKが取材し、Webに記事と午後6時台のニュース動画をアップしていたので、こちらに共有します。

当日は、ビジターセンター内に展示された、支笏湖周辺の生態系に関する展示を見て周り、独自のゆるキャラの絵を紙に描いてもらいました。子供達には、iPadのカメラを使ってもらいましたが、中にはビデオ撮影を選んだこともたちもいました。

次に、描いた絵をアプリ「らくがきAR」を使ってスキャンして、キャラクターの動きを動画にしました。事前に作成しておいたKeynoteに動画やこだわりのコメントを挿入して、最後にiPadをテレビに繋いで自慢のゆるキャラを紹介してもらいました。

当初、小学校の先生の中には「一年生にiPadが使えるのか」などの心配する声もありましたが、大人の想像以上にiPadを使いこなしてくれました。例えば、作業を終えた子供達は、友達のゆるキャラの絵を借りて、自分のゆるキャラと一緒に動画を取り込むなど、大学生や大人の想像を超えた行動をしてくれました。改めて、大人が子供の行動に蓋をしていけないと思いました。

小さな小学校の子供達が、美しい支笏湖を背景にiPadを片手に活き活きとアクティブラーニングをする姿をご覧ください。マイクロ小学校ならではの贅沢な活動でした。ご参考まで。

アップルチップ版MacBook Air到着

噂の(?)M1チップと呼ばれるアップルチップを搭載したMacBook Airが研究室に届きました。チップセットが変更になるということは大変なことで,これまで私自身はMacOSで4度変更を経験しています。最初はモトローラ社の68kシリーズチップからApple/IBM/モトローラ連合製のPowerPCチップへ,その後Intelチップへと移行してきました。その時々でメーカー(この場合はアップル)は良いことをアナウンスします(笑)。まあ,悪いことを言うメーカーはいないわけですが,その度に経験してきたことは「ネイティブアプリが少なくパワーを享受できない期間があった」と言うことです。しかし,スティーブ・ジョブズがモダンOSと呼ばれたNeXT OSと共にアップルに復帰してからは,少なくともOSレベルでの移行はアップルにとっては得意なのかもしれません。

起動直後のM1チップMacBook Air
梱包箱のどこをみてもM1の表記はない。起動後確認(笑)。

何しろ,NeXT OSを持ち込んだアップルの最初の仕事はPowerPCへの移植でした。これが現在のmacOSへの布石となります。一方でNeXT社は,独自ハードウェア(68kチップ)の生産中止後x86系チップへの移植なども手掛けており,こうした経験がアップルにも引き継がれたと考えられます。その後,macOSからiOSが派生し,tvOSやwatchOSなどへと発展していきました。iOSはARMチップセットを対象に開発してきましたら,この点は今回のmacOSをARMベースの自社チップセットに移植する際に大いに参考になったはずです。つまり,近年のアップル製OSは,当初からチップセット移行を前提にした拡張性の高さを持っていたことになります。いわば,アップルの特徴である垂直統合型企業(この場合はハードウェア、ソフトウェア、サービス全てをアップルが賄う)としてのあり方を支えていると言えます。

そんなアップル社が満を辞してリリースしたのがMac用のチップセットであるM1チップ。CPU、GPU、メモリーなどを統合している。チップセット移行がややこしいのは各セットごとの機械語が異なるから。アップルの場合はアプリの開発環境であるXcodeがコンパイル、生成時にARM版とIntel版のコードをパッケージとして出力するのでどちらのチップセットでもネイティブで高速に稼働します。もちろん開発者は再コンパイル時にエラーが出れば修正を余儀なくされます。Adobeなどは既にPhotoshopのアップルチップ用ベーター版を公開済みです。こうした対応が早いのはアップルと密にコンタクトしていることをうかがわせますし、実際、アップルチップが公開されたWWDC時に既に協力メーカーとしてAdobeの名前がクレジットされていました。

では、独自チップセットがあると何が嬉しいのか。アップルの場合は先にも述べた垂直統合型としてハードからサービスまでも一体化できるというメリットがあります。つまり、サービスで顧客満足度を高めるための機能が必要となった場合、それをチップセットで準備できるということ。例えば、サービス側が「今度こういう効果を提供したいんだよね」と言えば、ハード側で実装することで処理速度が上がるかもしれません。さらに、その機能を実現するためにOSがAPIを提供すれば、複雑なアルゴリズムを考えなくても命令コード1行で済むかもしれません。これは、ハード内でも同様です。メモリーに配置されたデータのアクセスなどをもっと高速にしたいとか、もっと省エネにしたいとか様々なニーズを自社の開発チームがアイデアを持ち寄り、自前のチップセットに組み込むことができるわけです。

これが、今まではできませんでした。OSからアプリまでは自社でできても(後述)CPUはインテル製ですし、メモリーも互換性のある汎用メモリーを使っていました。M1チップではメモリーもチップセットに埋め込まれたものを使います。メリットは高速ですが、デメリットは後で増設ができません。ただし、アップルとしてはそこもビジネスにつながります。メモリー足りませんでしたかあ、ではメモリーの大きいチップセットの(高額な)Macをどうぞ!となるわけです。以前から、iPhoneとAndroid機のグラフィック性能が違いすぎて、ゲームベンダーが困っているという話がありました。Android機の性能差が大きすぎるのです。一方、アップルはiPhoneの生産全てを賄っているので、ある程度の性能を持たせた機種をエントリーレベル以上に据えることができます。極端な話が、あるサービス(ゲームや映像配信)を利用できる性能以上のiPhoneを市場に流通させているわけです。これも、Androidメーカーではできません。結果的にローエンドの機種では,あるゲームができない、といった状況になり顧客満足度(エクスペリエンス)が下がりリピーターに繋がらないわけです。
いうまでもなく、PCでも同様です。最近でこそWindowsの世界ではゲーム専用機が一部で売れているようです。強力なGPUを搭載し、その見返りとして莫大な電力を消費します。ある意味、提供メーカーは汎用性の高いCPU、GPU、メモリー、電源などを組み合わせて提供に漕ぎ着けます。アプリメーカーはOSのバージョン、CPU、GPUなどの制限をスペックで示し満足した機種だけが動作保証されます。動作保証されない機種を持っているユーザは買い替えを迫られます。この点、アップルはできるだけ古い機種も新しいサービスを享受できるように努力してきました。その皺寄せは独自OSで吸収してきました。Android端末よりもiPhoneの製品寿命が長いのはそのためです。しかし、Windowsでゲームアプリをリリースしているメーカーにしてみれば、その限界が見え始めていたはずです。かといって、Microsoftを当てにしてもOSレベルでの対応をしてくれるわけではありません。

一方、Macも綻びが見え始めました。バリバリのグラフィックゲームアプリは外部GPUを用いる必要がありました。MLなどAIのエンジニアもMacは使えません。内蔵GPUがプアだからです。こうした背景からMac用独自シリコンチップの開発は必然だったわけです。その第一弾だったM1チップを搭載したMacBook Airを入手しました。いわゆるエントリー機ですね。感想はスイスイ動くね、といったところ。実際、日本語入力なども気持ちよく可能です。ただし、私は日頃使用しているMacがiMacやMacBook Proなので、M1は実に高速だ!という印象ではなかったです。しかし、これがエントリー機であるというのは素晴らしいことです。これも感覚的な印象ですが、学生諸君らは従来の1.5分の1ぐらいの値段で高性能を手にすることができると思います。

AppleTVにミラーリングできないトラブルもあり(固有の問題?)。

懸念されることとしては、PhotoshopなどのGPU性能やメモリーを要求するアプリがネイティブ化された際、どの程度M1の性能を活かせるかという点です。

アドビのアプリはM1チップのコンピュータで稼働しますか?

現在はKeynoteなどのアップル製のアプリはほぼネイティブ化されており、メモリー容量が8GBでも不思議なぐらいスイスイ動きます。果たしてサードパーティの重たいアプリ群がどのように振る舞うのかは今後、様子を見ないとなんとも言えません。コロナ禍にあって、テレワークや自宅学習などが増え、Macの販売も好調だったこのタイミングで独自チップのエントリーモデルをリリースしたのは的確な判断だったと思います。これを使って困る人は限られます。来年にはiMacなどもう少し性能の高い(価格も高いのでしょうね)Macが登場するようです。その頃にはサードパーティのアプリも増えているはずです。個人的にはその辺りのMacが人生最後(?)の選択に近いと思います。入手後改めて紹介したいと思います。

新型iPhoneに切り替えてあれこれ

先日数年ぶりにiPhoneを買い替えた。最新型12 Proでそれまで使ってきたiPhone Xの後継とした。きっかけはコロナ禍におけるテレワーク。自宅で仕事をする時間が増え、特に夏場は家の周辺を散歩する機会が増えた。公園で子供達と遊ぶ父親など価値観の変容を感じることが増え、iPhoneで写真を撮る機会が増えたのである。それまで使ってきたiPhone Xでも素人の自分には十分な性能だっただが、LiDER搭載ということでAR系を扱っている自分にとっては必要だとも思い「Pro」の携帯電話なるものに手を伸ばしてみた(笑)。

親子で公園に
古いiPhone Xを使い近所の公園を撮影(2020.5)

しばらく使ってみての感想は、スーパーバカチョンカメラという印象。これは決して悪口ではない。我々が若かったころ、バカチョンカメラというのが流行った。要するに、バカでもチョンでもシャッターを切ればピントの合った写真が撮れる、ということで一般的なコンパクトカメラにオートフォーカスが搭載され始めた頃流布した言葉である。完全に死語ですなあ。12 Proはとにかくブレない。暗闇で黒い車を撮影してもブレない。恐るべしである。もちろんそのバックグラウンドにはアップルお得意のAI(機械学習,Machine Learning,以降ML)が活かされている。これが強み。アップルはそれまでのパソコン業務に加えて音楽(iPod)を経て電話(iPhone)へと発展させ、今やこれらの心臓部であるシリコンチップ(昔風に言えばCPU)も自前で設計するようになった。スティーブ・ジョブズと死の間際にマイクロソフト社のビル・ゲイツ氏と交わした際のことがジョブズ氏の伝記に記されている。いわく「君の垂直統合モデルも素晴らしかった」と。要するにハードからOS、ソフト、サービスまで一社で賄うことにより最適化された製品を作り出すことに成功した、ということ。まあ、今ではGAFAと呼ばれこの先どうなるのか,先行き不透明感がないわけではない。トランプ政権から変わったのでしばらく動きは落ち着きそうだが。

ともあれ、新型iPhoneで撮影した写真は素晴らしい。同社はAI(ML)に相当力を入れている。AIというと何かを予測させるのか、と考えがちだ。確かにGoogleもようやくコロナ感染予想をAIで公開した。一般の人のイメージはそこだろう。だが、アップルは元々データの扱いに慎重な会社である。Googleとはビジネスモデルが異なるのである。彼らはAIを自社製品のインターフェースデザインなどに盛り込んだ。果たして誰がそうしたAIの活用を考えたであろう。例えば、現在この文書を書いているのはiPad Proである。タッチパネルやキーボードのトラックパッドなど様々なカーソルコントローラが付いている。ユーザが画面上のボタンを指示したいのか、画像をドラッグ&ドロップしたいのかなど、ユーザの思惑は様々である。アップルはこうした判断などにもAIを使っている。あるいは、アップルウォッチを付けたまま手を洗うと「(コロナ禍だから)20秒洗おう」として計測開始。こちらも何とか褒めてもらおうと20秒以上手を洗うことを心がける。終了すると「おめでとう」と褒めてくれる。アップルウォッチのセンサーとAIを組み合わせたサービスだ。手を洗う際の音や手の動きを学習しているのだ。

もちろん、画像処理にもAIが使われる。デジタル画像のパラメータは豊富であり、素人の私には手を出しにくい。その昔Photoshopを使い始めた頃、千葉に住むプロのUさんに言われた「普通の人は「自動補正」を選ぶぐらいにした方が良い」は、今だに私の心に刻まれていて、そのようにしてきた。その後画像処理はiPad Proが中心となり、使用するアプリはPixelmator Photoへと変わった。そこでも、使うのは「自動補正」ボタンが中心。何しろ補正項目は目が眩むぐらい多いのだ(添付はパラメータの一部)。Pixelmator Photoの自動補正 はプロの画像作家たちの補正項目をMLでアルゴリズム化したというもので、当時話題になったものだ。iPhone Xまでの写真はこれで十分だった。

Pixelmator Photo
Pixelmator Photoの補正パラメータの一部

ところが、iPhone 12 Proになり状況が一変。Pixelmator Photoの自動補正を使うとしっくりとこないのだ。サンプル画像を示す。最もイメージに近いのがオリジナル。今にも大雨になりそうな夕方のキャンパス。窓の明かりが煌々と、まだ仕事に勤しむ人々を照らしている。

iPhone12Proサンプル
iPhone12Proで撮影した大雨接近中の夕方のキャンパス

これをPixelmator Photoの自動補正をすると、チンケな昼間の画像になってしまう。恐らく、iPhone 12 Proで撮影した画像ファイルに記録されているデータが、従来のMLで用いたデータと齟齬をきたしているような気がする。

 iPhone12pro サンプル
Pixelmator Photoで自動補正

つまり、それまでのiPhoneではこうした写真は撮れなかったのだ。少なくとも普通の素人は。だから、自動補正の(AIを用いた)処理とミスマッチを起こしているのかもしれない。そこで、アップル純正の写真アプリの自動補正を試したのがこちらの写真。オリジナルほどのドロドロした雰囲気は薄らいでいるが悪くはない。

写真アプリによる補正
アップル純正の写真アプリで自動補正

これこそビル・ゲイツが誉めた垂直統合型の威力。写真アプリは新型iPhoneの写真補正にも最適化されて提供されている、ということ。もちろん、Pixelmator Photoは他にも素晴らしいフィルター機能を提供するなど、自動補正以外の使い道(これが本来の使い方)があり、素晴らしい写真作りに貢献してくれているので、しばらくは使うつもり。何より、新型iPhoneへの対応があるのかどうか、上記仮説を裏付けるようなアップデートが楽しみなのだ。

話が遠回りになったが、新しいiPhoneには満足している。ナイトモードを使い手持ちで夕暮れ近くの黒い車を撮影したこちらの写真など、素人が一眼カメラで写すことが難しい写真をいとも簡単に撮影してくれる。

夕暮れの黒い車
iPhone 12 Proで撮影した夕暮れ時の黒い車

茨城に住む大恩人でプロの写真家であるH氏はこの写真を見て「高級一眼カメラもそうだけど、薄暗いところで薄暗く撮るって案外苦手なんだ。ここぞとばかり、昼間並みの適正露出を叩き出す。この写真は暗さの中で見ているイメージに近いと思う。一眼ならだいぶマイナス補正かけてるシーンだね。」とコメントしてくれた。

今後アップルは独自写真ファイルフォーマットにLiDERなどの測距データなども付加するなどして非破壊構造を強化するらしい。アプリによるマスク切り出しや色を変えるなどがワンタッチになる可能性がある。一方、ファイル容量が大きくなり5Gが欲しくなる。ちなみに小生はキャリアSIMを使っていないので相変わらずの4Gである。
これぐらい楽しませてくれた新型iPhone、コロナ禍の相棒として十分お買い得なスマホだった。「Pro」という呼び方にはいまだに抵抗感があるが(笑)。恐らく本当のPro向けはiPad Proではないかと思う。筐体が大きくCCDサイズを大きくしても余裕があるだろうし、独自チップセットを設計できるアップルであれば「でかい電話」から脱却させることも可能だろう。この先も楽しみだ。

追記:

その後,本学の体育館をiPhone 12 Proのナイトモードで手持ち撮影してみたのが次の写真です。ただシャッターを切っただけで,この画質は満足のいく出来栄えです。

iPhone 12 Proのナイトモードで手持ち撮影した夜の体育館の様子。

2018:今年購入して何かと役に立ったもの(3)-“Luna Display”など

学会や出張で大いに役に立ったのが以下の電源アダプターです。

AUKEY USB充電器 ACアダプター 60W USB Type-C Power Delivery 3.0 + 5V/2.4A スマホ充電器 MacBook/Pro, Dell XPS, iPhone X / 8 / Plus, Samsung Note8 など対応 PA-Y12
詳細はこちら:

比較においた右はMacBook Pro純正の電源アダプタ。

これはUSB-CとUSBの出力端子を持つもので,MacBook ProとiPad,iPhoneを使うことが多い私にとっては,同時充電が可能な大容量タイプで,大変に重宝した製品でした。

MacBook Proについては,macOS用のアプリ,特にiBooks Authorを使う際にはどうしても持参しなければなりません。これまでは,学会発表などもiPad一つで済ませることが多かったのですが,今年はデジタルガイドブックなどの関係でMacBook Proを持っていくことが増えました。こうしたデバイスでデモをする際に困るのがディスプレイ出力です。最近はHDMIプロジェクタも増えてきましたが,未だにアナログポートしかない場合も多く,結局二種類のアダプタが必要です。これにLightning端子とUSB-C端子が必要となると更に倍の数のアダプタが必要になります。今後はiPad ProもUSB-Cになるので,この点統一されるのはありがたいことです。引用したブログによると,USB-Cディスプレイ出力に対応するアプリ(Keynoteなど)は,ミラーリングのみならずサブモニターとしても利用できるそうで,ますますiPadだけで済ませることが増えそうです。

そんな際に目に留まったのがLuna Displayです。USB-Cタイプのドングルが出たとのことで,早速購入しました。製品はドイツから届きました。送料込みで$89.99でした。

Luna Display:

MacBook Proを持参すること自体は変わらないのですが,Luna Displayを使うとiPadがクラムシェルディスプレイとして使えます。つまり,iPad Proからのディスプレイ出力一つでMacアプリのデモとiPadのデモができることになります。自宅の環境(Apple TV)で試したところ,使えることが分かりましたが,実際に学会などで使ったことはまだありません。新型iPad Proが届いたたら試してみたいですね。

Mac Book Proにドングルを設置。クラムシェルでMacアプリをiPadで操作。
AppleTVにiPadに映ったMacアプリ(iBooks Author)を表示している様子。

これは番外編になりますが,まちライブラリーでプレゼンテーションをしている際の様子です。この時は,様々なグループが発表を行ったので,流石にプロジェクターを持ち込むことははばかりました。MacBook Proの画面を反対側の方にお見せするために,11インチのサブモニター(2017年購入)を使っています。11インチと小型ですが,フルHD対応で様々な端子にも対応しているモニターで,画質も良くプロの写真家もチェックに使われているものです。

・GeChic モバイルモニタ On-Lap 1101P 11インチ/フルHD/(1080p)/24Hz入力対応/フォトグラファー向けモデル
詳細はこちら: 

私の前に置いてあるのが,11インチのサブモニターで,MacBook Proをミラーリング表示しています。

これまた,番外編ですが,私がプレゼンテーションにはKeynoteと言っていることもあり,学生たちはiPhoneのKeynoteでプレゼンすることが増えてきました。実際,学会でもiPhoneで発表した学生がいました。私にとっては数年前から当たり前の光景だったのですが,参加された先生は相当驚かれていました(笑)。

こちらはiPhoneで学会発表する本研究室の三年生です。
こちらは,iPhoneのKeynoteを使い,FileMakerのサークルで発表する一年生です。

2018:今年購入して何かと役に立ったもの(2)-“第4世代Apple Watch”など

今年は驚くほどApple製品を購入していませんでした(笑)。研究目的でiPad(第6世代)やiPod touchなどは購入しましたが,新鮮味はありませんね。

そんな中,唯一と言って良いほどのApple製品がApple Watchの第4世代です。これまで私が使ってきたのは初代モデルでした。これが新しいwatchOSには対応しなくなり,踏ん切りがつきました。発表が数日してからの申し込みだったので,この際に(?)と,ナイキモデルを予約しました。

新(右)旧(左)Apple Watch(笑)。
気に入って使っている文字盤はこちら。本来,文字盤も自作できるようになったのですが,そこまでたどり着いていません(笑)。

これまでもそうでしたが,Apple Watchは一度付けると手放せなくなります。よく「何に使うのですか?」と尋ねられることも多いのですが,殆どあらゆることです(笑)。例えば,スケジュールも知らせてくれますし,その場所への行き先も教えてくれます。しかし,手放せなくなる最大の理由は健康管理だと思います。50分に一度「スタンド」と立ち上がって血流を良くするように促してくれますし,一日の運動量やカロリーの消費量なども知らせてくれます。これらを何とかクリアしようと頑張ることで何とか健康を維持管理しているような次第です。

今一番期待しているのは,アメリカでスタートした心臓の異常を通知するサービスです。日本ではまだ始まりませんが,このサービスを人々がどのように受け止めるのか,気になるところです。

他に,旧モデル使用時には純正革ベルトのバーゲンがあったので購入しました。

バーゲンで購入したApple純正の42mm革バンド。

現在は自分への今年のプレゼントとしてコーチの革ベルトを注文しています。こちらは1月上旬に届く予定です。これらApple Watchの交換バンドは旧42mmが新44mmと互換性があります。それは良いのですが,結局のところ高価な44mmを選ばざるを得ないというのは,明らかにAppleの戦術にハマっています(笑)。