埋蔵文化財センターにお邪魔しました

研究室の学生たちと千歳市埋蔵文化財センターと世界遺産キウス周堤墓群現地を訪問して来ました。いずれも,職員の皆様に御案内いただくなど,超贅沢な一時を過ごさせていただきました。

キウス周堤墓群の現場は,今日から今年度再開ということで,再開初日の訪問となりました。今年は,昨年度学生が作成したiPadを使う音声ガイドアプリに手を加えて,本学の協定校である札幌国際大学の先生や留学生の皆さんにご協力いただき,多言語版(日本語,英語,中国語,韓国語)を作りました。本日,現地事務所にお預けしましたので,ご利用いただきます。こちらは,5月1日に埋蔵文化財センターで,私の研究室と覚書を取り交わすことになりました。

学生の中には,卒業研究のアイデアが浮かんだ者もいたかもしれません。連休明けから卒業研究のアクセルを踏み込みましょう!

AI(機械学習)を用いた支笏湖における桜の開花予想サービス – 花丸でした

500度の法則に基づく桜の開花予測の状況です。3月末時点の予想通り,4月30日に500度に達しました!


予想アプリ

桜の開花自体はともかく,3月末日時点で500度への到達予測を4月30日とAI(機械学習)で予想していましたので,正直,驚くべき精度でした。花丸です(笑)。
確かに,下界(笑)は3月に高温が続き,札幌でも既に満開を過ぎ,千歳の大学キャンパスも昨日は満開でした。


支笏湖が比較的緩やかに気温が上昇した背景は,やはり不凍湖であり冷たい水を大量に持つことから,周辺の気温上昇をある程度緩やかにしたのではないかと想像しています。

これが,FileMakerで作成した本アプリが示している「湯たんぽ現象」と結びつきます。
「湯たんぽ現象」とは,高度が高く,本来は「下界」の大学キャンパスよりも寒いはずの支笏湖周辺が,実は暖かいというものです。実際には,冬でも凍らない大量の水があることで,それほど気温が下がらず安定しています。

数年間続けてきた調査が,なんとなく結びつき始めた気がします。
あとは,鏡面現象の予測ができれば良いのですが(笑)。

アプリのスクショも添付します。この時期は湯たんぽ現象は起きていません。高度の高い支笏湖の方がキャンパスよりも涼しくなっています。この涼しさが,桜の開花を下界よりも遅くし,おそらく連休中に見頃になっていると予想します。

湯たんぽ現象

2023年度支笏湖鏡面現象プロジェクト始動

研究室の支笏湖鏡面現象プロジェクト,今年は監視区域を拡大するために,丸駒温泉様にご協力いただけることになりました。これまでの観測点とは,ほぼ対岸に近い場所になります。先日,お邪魔した際には,ここで素晴らしい鏡面現象に出会えたのですが,その際,対岸では鏡面現象はありませんでした。場所によるんですよね。

設置には,日頃お世話になっているOさんに全面的にお手伝いいただきました。到着後,設置場所を吟味して作業。その後,社長に確認していただき,1時間強で作業を終了しました。このカメラにはバックアップ用の小型ソーラーパネルが設置できるのですが,接続後元気よく給電してくれました。途中,雪が降る中を作業してくださったOさんと学生に感謝です。ここからどのような鏡面現象が見られるのか,楽しみです。

作業後,千歳に戻り,学生たちとハンバーグレストラン「アルヒコ」さんで昼食を取りました。次回,画像回収時はチップ定食でしょうか(笑)。

研究室で学会表彰!

11月に,学会で表彰を受けた4年生の症状と副賞が届きました。学会はオンラインだったため,先日,小生が代読して,4年生全員の前でお渡ししました。卒業後年齢を重ねると,表彰される機会は多くはありません。在学中,世間から評価されるのは良いことです。おめでとうございます!

ちなみに,4年生らが揃っていたのは,卒論の提出締め切りが近いからです(笑)。最後まで頑張れ!

研究室の学生の活動報道の紙面が図書館に掲示

今年は,千歳市に関わる研究をこなしてきた我が研究室ですが,新聞報道なども続きました。掲載された誌面について,本学図書館横の廊下の掲示板に掲示されています。

この廊下は,通学バス乗り場から講義教室に繋がる廊下の脇なので,学生の目につきやすいと思います。後輩たちの励みになると良いですね。

ちなみに,学生の活動については,研究室(H303)の入り口にも掲示しています。

学生の活動が新聞掲載されました

本研究室の学生が,千歳埋蔵文化財センターで取り組んでいる内容が,北海道新聞千歳版に掲載されました。

こちらはでは,埋蔵文化財センターの展示を,さらにわかりやすく示すことを目指して,ARなどを活用したコンテンツを作成し,FileMakerで実装したiPadを貸し出しています。2023年2月より試験的に運用を開始しました。昨年9月にARスキャンして3Dモデル化した,千歳市寿町の縄文遺跡の一部を流用するなどしています。他にも,現物の展示品の先端が埋もれている石柱をARで空中に表示したり,石棒の左右を並べて表示するなど,ARならではの体験ができます。

※アイキャッチ画像は取材時の様子です。

千歳市寿町の縄文遺跡発掘現場でARスキャンする学生の様子(2022.9)


【曽我研究室】公開ゼミ」のご報告とお礼

私の研究室の4年生による「【曽我研究室】公開ゼミ」を開催いたしました。場所は,JR千歳駅の裏手,本学のシャトルバス乗り場近くにある「まちライブラリー@ちとせ」です。

普段,ゼミは大学の研究室で週2回開催していますが,今回は,街中に飛び出して,市民の皆様と一緒に,彼らの卒業研究の成果を共有させていただきました。写真のように,驚くほど多くの皆様にご参加いただきました。

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私の研究室では,テクノロジーやサイエンスを用いて,サービスに繋がる研究を行っています。今年の学生たちのテーマは,その多くが,支笏湖の自然や縄文遺跡など,地元である千歳や北海道の歴史や自然を元に,機械学習(AI)などを用いてモバイルサービスを提供するものです。そもそも,自然と機械学習が結びつくこと自体,想像しにくいのではないでしょうか。

今の時代,それが手軽に試せる時代になったのです。ある意味で,パーソナルコンピュータが生まれ,表計算ソフトというキラーアプリが現れた時代を思い出させます。道具として用いているのは,Appleが提供するCreateML(機械学習モデルファイルの出力)とFileMaker(モバイルソリューションの構築)です。学生が、わずか1年間の在籍期間中に,こうしたテーマを実装することができたのは,こうした優れたソリューションのおかげです。時代の変化を感じさせます。まずは,時代の変化を市民の皆様と共有させていただきたかったのです。

こうした研究活動は単にコンピュータの前に座っていただけでは実現できません。額に汗して,あちこちを歩き,自分の目で見て,多くの人から話を聞く必要があります。観察することこそがサイエンスの第一歩です。今回発表にお集まりいただいた方の中には,そうした,学生がお世話になった方が沢山来られました。特に大変なのが,ユーザテストの被験者です。今年は,まちライブラリー@ちとせにお越しの方にお願いしてユーザテストをさせていただいた学生もいます。この場をお借りしてお礼申し上げます。

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思い返すと,こうした市民との共有は,1997年に札幌で「マッキントッシュの匠たち」というコーシングラフィックシステムズ社のイベントに,当時,札幌の女子短大生たちと参加したのが初めてでした。この時の様子は,「Mac Fan」(マイナビ出版)というPC系の雑誌で紹介されました。あれから四半世紀が経ち、今回の取り組みも,マイナビ社が取材に来てくださり,近いうちに同社のWebで公開されるそうです。

まもなく,学生らと,熱く楽しく取り組んだ1年間が終わります。昔も今も思うことは,この活動が,彼らの人生の1ページに刻まれることです。皆様,お疲れ様でした。

当日発表内容:

    1. ” 機械学習を用いた自然現象の分析に基づく情報提供サービスに関する研究
-支笏湖鏡面現象を例にして-“
    2. ” デジタルアーカイブを活用した古資料閲覧支援システムの開発
-苫小牧市立中央図書館に おける王子軽便鉄道関連古資料の閲覧を例にして-“
    3. 機械学習を用いた支笏湖鏡面現象の判定と観光サービスへの応用
    4. ” 温度センサーを用いた情報提供サービスに関する研究
-支笏湖周辺を例にして-“
    5. “新規来館・再訪を促進するためのSNSを活用したビンゴアプリによる提案
-千歳水族館を例として-“(3年生)
    6. 機械学習による混雑度の予測を実装したシャトルバスアプリの開発
    7. ” ARを用いたガイドシステムの開発と利用満足度の分析 
-千歳市埋蔵文化財センターを例にして-“

曽我研究室卒業研究発表会:公開ゼミ

公立千歳科学技術大学の曽我です。

大学の地域連携センターのWEBで告知され,コメントでご紹介させていただいた,研究室の学生による卒業研究発表会を以下の日程で開催いたします。

日時:2023/1/26(木)13:15~16:00
場所:まちライブラリー@ちとせ
〒066-0027 北海道千歳市末広6丁目3 アルファ千歳ビル 1階

今回,4年生7人の取り組みをご紹介させていただきます。
そもそも,この研究室は,サービス工学に基づき,サイエンスとテクノロジーで課題の解決を提案いたします。

今回は,ARやAI(機械学習)を用いた提案が多くあります。
ARやAIというと,サービスとは程遠いと思われるかもしれませんが,実は色々なところに応用できます。
今回は,FileMakerという開発環境で実装していますが,一年間という短い時間の中でここまでできたのは,FileMakerがあったからこそ,です。

今年は特に,千歳市などの地域に関わる内容が多かったこともあり,千歳駅裏にある「まちライブラリー」で開催いたします。
こうした取り組みに関心がある市民の皆様にも,気軽に楽しんでいただこうと考えています。
大学ってどういうことをやっているの?と思われている方など,遠慮なく足を運んでください。

よろしくお願いいたします。

※発表は変更される場合があります。

Claris Engagement Japan 2022の学生紹介が公開

FileMakerで有名なClaris社によるイベント “Claris Engagement Japan”が今年もオンラインで開催されました(2022.10.26-10.28)。対面で開催されていた頃,私も参加させていただいたこともありますが,FileMakerの様々な応用事例などに触れることができる,大変有意義なイベントです。

今年は,Claris社のキャンパスプログラムを採用している本学で,私と一緒に「ユーザインターフェース」の科目をお願いしている有賀先生がこの授業の成果の一端を動画にまとめていただけました。先日,今年のイベントの様子がYouTubeで公開されました。以下は,授業の受講生3名へのインタビューなどを紹介した動画になります。

「コロナ禍を乗り越えて,身近な問題を学生目線でアプリ開発を通じて解決」:Claris社,YouTube

この科目の詳細は,動画で有賀先生が説明してくださっていますが,FileMakerで完全なアプリを作ることが目的ではありません。しかし,この動画で紹介している3名の学生(情報システム工学科,三年生)は,春学期15回の授業が終了した後,自分たちのFileMakerで構築したアプリを完成するまで手を加え続けました。授業時間外の休日などでも,自分たちの課題と向き合い,取り組み続けました。この粘りには感服いたします。

ぜひ,公立千年科学技術大学リケジョの取り組みをご覧ください。

PCカンファレンス北海道2022で学生が「プレゼンテーションスキル賞」を受賞

今年も,コンピュータ利用教育学会主催の「PCカンファレンス北海道」が開催されました。今年もオンライン開催でした。

本研究室からは,3件の発表がありました。これまでは,例年この研究会に学生発表をさせているのですが,今年は,情報処理北海道シンポジウムで3件の発表があったので,うまく分散できました。これは,指導教員としては一息つけました。

「世界遺産キウス周堤墓群におけるデジタルコンテンツを用いたガイドシステムの開発とユーザ分析」を発表した橋本春樹君がプレゼンテーションスキル賞を受賞いたしました。おめでとうございます。

これで,本研究室は三年連続,通算5回目の受賞となりました。

追伸:

その後,本学のWebページで受賞が公示されました。

「学生が受賞しました」:公立千年科学技術大学