その昔,スティーブ・ジョブズ時代までとは異なり,近年のクック体制のもとでApple社は積極的に論文を自社サイトに掲載するようになりました。多くの研究者が所属するApple社ですが,自社製品の守秘義務などからこれまでは研究内容が公表されることはありませんでした。
次期iOSであるiOS11の目玉機能としては,機械学習とARなどが予定されています。Appleは,機械学習に関する論文サイトを作り,すでに何本かの論文が掲載されていますが,以下はその一つで,Siriの合成音声に関する内容です。ちなみに,同社の論文が “a Best Paper Award at the 2017 Conference on Computer Vision & Pattern Recognition”を受賞したそうです(!)。
日頃私が所属する学会では研究成果は精々PDFベースによるものなのですが,こちらは,下部に実際のOSバージョン別による音声の比較ができるようになっています。その昔,Webが登場した背景は,膨大な研究成果をシェアするということがその目的だったわけですが,まさにこういう目的で利用されるべきですね。EDUPUBもiBooksも文献に向けてもう少し積極的になってほしいと願います。
ちなみに,iOS9/10までの合成音声とiOS11では素人の私でもその違いがわかります。ぜひ,聴き比べてみてください。