今年も卒業研究発表会を終えることができました。
コロナ禍の卒業研究という,兎にも角にも大変な1年間でした。何しろこの研究室はフィールドワークを中心とする研究室ですから,それが思うように任せないなどということは想像もしていませんでした。そんな中を学生たちはオンラインで課題の収集に取り組みました。
ようやく活動ができそうになったのが,9月のことでした。この機会に一気にフィールドワークを行えたのが何よりでした。その後も大学内で感染者が出たりするなど,基本的にはオンラインで指導を行いました。最終的に困ったのが,システムやアプリの実験の被験者をどのように集めるかという問題でした。卒論提出後も,発表会までに追加実験を行いました。最後の最後まで諦めない,そんな学生たちの意地を見た気がします。
最後に研究室で発表を終えた学生たちと集合写真を撮影できた際にはほっとしました。研究発表会には3年生らも駆けつけて,先輩たちの様子から来年の自分たちの姿を想像してもらいました。また,多くの皆様にオフライン,オンラインで励ましの言葉を頂戴しました。この場をお借りしてお礼申し上げます。ご支援,ご鞭撻のほどありがとうございました。
発表を終えた学生が後輩たちに送った言葉を以下に示します。よくぞここまで成長してくれたと感無量です。来年度はもちろん,再来年以降の学生たちも参考にしてください。
ゼミ活動の心持ち
後輩たちへ
2021年2月12日,卒研発表を終えた後にこの文章を書いています。3年生の夏から曽我研究室のゼミ活動に取り組んできて,私が成長し,意識するようになったこと,こうしてたら良かったなと思うことをまとめてみました。この考え方が合えば,頭の片隅にでも入れておいてくれると嬉しいです。
戸井 奈菜美
『相談できる人を1人でも多く作っておく』
多くの価値観からの意見が重要です。困ったとき,悩んだときは誰かに相談した方が絶対に良いです。先生でも,先輩でも,同期でも,後輩でも,とにかく周りを頼ってください。『失敗の方が多いと思っておく』
何度失敗しても,恥ずかしい思いをしても,ボロクソに言われても,結局はその先に繋がる良い経験になります。むしろ色んなことやってみて,たくさん失敗してください。やらないよりはよっぽど良いです。『不安や焦りや緊張から逃げない』
足を止めても決して逃げることはしないでください。結果が求められることに変わりはありませんが,曽我研究室はどこよりも経過を大事にする研究室です。少しでも,一つでも良いので進み続けてください。やればいつか達成出来ますが,やらなければ一生囚われたままです。『データの整理は定期的に,上手に』
データが散乱していると,後々困ることになります。必ず,日付順,訂正順,テーマごと,段階ごとにデータを整理してください。それが整理されていないと,気持ちも不安定になります。『メリハリをつける』
やるときはやる,休むときは休むと,メリハリをしっかりつけてください。やるときはできるところから効率よく進めましょう。行き詰まったら休むのも手だし,誰かに聞く,勉強する,一晩寝かせるなど,手を施してみてください。休むときは,何もかも片隅に追いやって,思いっきり寝て,思いっきり食べて,思いっきり好きなことしてください。とにかく健康に,楽しく毎日を過ごしてください。『主体的に活動する』
「先生が言ったから」「やらないと怒られるから」ではなく,「これがやりたい」「こう思ったからこうしてみよう」というように,自分主体でゼミ活動に取り組んでください。そのほうが絶対に楽しいです。好奇心の赴くまま活動してみましょう。『勉強を怠らない』
時間をかけて勉強することは,まわりくどく見えて実は近道です。わからないこと,できないことは本なりネットなりで積極的に勉強してください。案外簡単に出来ちゃったりしますし,中々できなかったり結果が思うように出なかったりしてたのがいつの間にか達成できてることなんてざらです。根気強く取り組んでください。『苦労はつきもの』
思い通りにいかない苦しさは皆味わうものです。それだけ大きなものに立ち向かっていることを誇りに思ってください。乗り越えれば活動は飛躍的に発展していきます。『とにかく経験しておく』
やれることはなんでもやること,チャンスは逃さないこと,貪欲にチャレンジすることをおすすめします。経験は,もしも自分が弱って,思うように働かない時でも力を発揮してくれます。『自分流を見つける』
活動の進め方,手段,考え方は人それぞれです。考えをまとめるために,パソコンを使う人,スマホを使う人,紙とペンを使う人,ホワイトボードを使う人,口に出す人など,様々です。自分あったやり方,気分にあったやり方で進めてください。考え方も自分がベストだと思う考え方を見つけてください。効果は見つけたらわかります。最後に
色々書きましたが,結局私もできたり,できなかったりでした。ですが,これらのことを頭に入れておくだけで,挫けた時でも,ずっこけた時でも,逃げずにここまで達成することが出来ました。そんな自分を誇りに思っています。一年間研究活動を続けることは並大抵のことではありません。皆さんが楽しく活発に活動し,目指すゴールへ辿り着けるよう,祈っております。