オープンキャンパスでプログラミングの模擬講義

今年も高校生向けのオープンキャンパスの季節となりました。本学は,四月に公立大学になり,今回(が最初のオープンキャンパスでもあります。曽我研究室では模擬講義「楽しいプログラミング」を行いました(1時間×2回)。実のところかなり緊張していました。それは、公立大学初のオープンキャンパスであり、どのような生徒が来るのか情報がありませんから、模擬講義のレベルや解説内容をどの程度にしたら良いのか、見当がつかないからです。しかも、今の時代はプログラミング教育の時代、高校でも色々と工夫を凝らしているに違いありません。
結局、iPadを使って、現在本研究室で行なっている、テキスト型とビジュアル型を交えたプログラミング体験をしてもらおうと考え、前者ではSwift Playgrounds を、後者はTynkerというプログラミング環境を考えました。Tynkerは興味深いビジュアル型環境で、一見するとScratchのような、いわゆるブロック型プログラミング環境なのですが、画面上ボタンをタップするだけで、Swift を意識した表記方法に変更することができるというものです。私たちの仮説としては、小学校でScratchに慣れていると、テキスト型への移行時に敷居があるかもしれないと考えています。これをシームレスに乗り越えるにはTynkerのようなテキスト型を意識した方が良いのではないかと考えました。いずれにしても、タイトルにあるように「プログラミングを楽しんでもらう」ことが肝心だと思いました。いずれの環境も高校生にとっては初めてのことで、楽しんでもらえると考えました。
一時間の模擬講義の中で,最初にTynkerを使いプログラミングの基本構造に慣れて貰いました。この際,Tynkerによる表現様式のグループと,Swift Playgrounds表現のグループに分けました。

Tynker(左)とSwiftPlaygrounds(右)にグループ分け。

両者の差が最も大きく出るのが,繰り返し処理の部分です。一般にテキスト型プログラミングでは繰り返しはFor文と変数を組み合わせた表現を用いるのに対し,Scratchのようなビジュアル型では「繰り返せ」のような直接的表現を用います。

Tynkerによる表現
Switt表現

その後,Swift Playgroundsの「コードを学ぼう」を用いて,繰り返し処理を含むプログラミングを体験してもらいました。実際に模擬講義を終えてアンケートを行ってみると,予想通り,多くの高校生が既に何がしかのプログラミングを行ったことがある生徒が多数を占めていました。初めて触れたプログラミング環境でしたが,そこそこ楽しんでくれたようです。iPadを用いてプログラミングするというのも初めての経験だったと思いますが,本研究室の学生による支援は付きましたが,ほぼ問題なくこなせていたようです。何れにしても,多くの生徒が今回のプログラミング授業を楽しんでくれたようです。

SwittPlaygroundsを用いたプログラミング体験

それぞれ,大学選びの参考になってくれれば幸いです。今年は,同じ内容で8月にも模擬講義を行います。今回参加できなかった生徒さんも是非ご参加ください。