iPad ProとApple Pencil

年末にようやくiPad Pro用のApple Pencilを入手することができた。既にあちこちで,このスペシャルがスタイラスについての感想がアップされているので,詳細はそちらにお任せする。

そもそも,スタイラスについてはApple CEOであるスティーブ・ジョブズに「スタイラスはないのか?」と質問した記者に「指を削れ」といったとかという都市伝説があった。

ジョブズが大嫌いだったスタイラスがiPad Proの「Pencil」で登場したわけとは

http://gigazine.net/news/20150922-apple-pencil-stylus-jobs-hated/

ただし,スタイラスの有用性は限られた面積の中に高い解像度で書き込みをするには面積の大きな指よりも有利であることは自明である。だが,静電容量方式のマルチタッチディスプレイに対応した理想的なスタイラスを作ることは中々容易ではなく,私も適当なものが見つからなかった思いがある。特に,先端部はある程度の丸みを帯びるものが多く,これだと何のためのスタイラスなのかと考え込んでしまう。

さすがに,iPadを作っているメーカーらしく,アップル純正のApple Pencilは重量バランスや書き心地など申し分がない。これを実現するためにAppleはiPad Proに特別な仕掛けをしたらしく,Apple PencilはiPad Pro専用になっている。色々なアプリがApple Pencilに対応しつつあり,私も色々なアプリを試している。その中で,手書き認識アプリとして草分け的存在のMazecが素晴らしかった。

これまでも,様々なスタイラスでMazecを試したが,Apple Pencilが抜群に使いやすく認識率も高い。おそらく,iPad Proの高いCPU性能も有利に働いたとみられる。83歳になる自分の母にMazecで文字入力を試してもらったが,素晴らしいと絶賛していた。もちろん,実際には少々の小技を駆使する必要があるのだが,ようやく実用化の領域に近づいたと言えるだろう。

今後は,卒業研究の赤をPDFに入れる際にiPad ProとApple Pencilが役に立つことだろう。

新年あけましておめでとうございます

みなさまあけましておめでとうございます。

曽我ラボで学生と迎える実質的には初の正月になります。

昨年はいろいろなことがありました。研究室の学生諸君には配属時に「この研究室には先輩もいなければ,過去の研究実績も何もない。その分苦労することになる」と脅しをかけましたが,その言葉の通り大変な卒業研究になっています(笑)。先に述べた通り,どうしてもテーマの確定や準備に手間取り,私が見る限り概ね3週間遅れています。しかし,その内容はそれぞれ興味深いものばかりです。今後の学生諸君は線路が引かれていて楽(?)ですね。

さて,私自身は昨年を振り返ると普段の学会発表に加えて,ハワイ島で開催された”E-Learn2015″での発表が印象的でした。何しろ自分の誕生日に海外に出発するというのは初めての経験でしたし,しかも日付変更線をまたいだので誕生日も二日間で二回経験しました。挙句のはてに,ハワイの入国管理官に「Happy Birthday!」と言われるしまつ(笑)。発表会場だったホテル・マリオットも素敵でした。キャッチの写真はハワイ島のラバビーチで撮影したものです。

2016年はどのような歳になるのでしょう。まずは4年生達に無事に卒業してもらうことが第一です。

千歳水族館で実験

先にお伝えしたように,PCカンファレンス北海道2015で本研究室の学部生である大鐘君と西田君が千歳水族館とコラボしてiBeaconコンテンツを開発してました。iBeaconはここ数ヶ月の間にも様々なところで取り上げられていて,我々も面食らっているところです。例えば,全日空が羽田空港での移動経路表示に使ったり,JR東日本が東京駅内の案内を行うなど大々的な利用が増えています。

私たちは今年リニューアルされた千歳水族館さんと一緒にiBeaconを使ったサービスの改善,新規提供を考えています。来館者が水槽を紹介するコンテンツを入れたiPadを持って館内を歩くと,iBeaconのあるところで該当コンテンツが自動表示される仕組みです。

ポイントはコンテンツ紹介のモバイルアプリ開発とiBeaconの電波をキャッチしてその情報をモバイルアプリに送信するネイティブアプリ開発を分けたことです。ざっと見たところでは,iBeaconを受診するアプリとコンテンツ表示アプリは一体化されたケースが多いようです。しかし,これでは開発効率が悪くなってしまいます。いわばHTMLとCSS,JavaScriptのようにコンテンツとプログラムは分けたかったのです。

そこで今回はコンテンツ部にFileMakerを使い(表示はFIleMaker Go),受診アプリと分離することにしました。FileMakerによるコンテンツ部は単独利用も視野に入れて水槽紹介や現在値表示を行うようにしました。受診アプリが厄介だったのはビーコンの電波が重なり合った場合などでの対処やユーザーの移動速度に対応できるかどうかなど様々な課題がありました。

先日ようやくシステムがまとまったので,研究室配属が決定した3年生2名を被験者として実験を行ってきました。案の定,いろいろな問題があり,4年生の二人は卒業に向けて新たな課題を克服しようとしています。

今回は菊池館長に千歳水族館の目玉水槽の一つである支笏湖水槽を水槽上部から見せていただきました。ひょっとするとアイデアにつながるかもしれません。

いつもご対応いただいている千歳水族館の菊池館長始め水族館の皆様にはお礼申し上げます。ありがとうございます。

新人歓迎会終了

昨年は「新人」(3年生)しかいなかった我が研究室ですが、今年は4年生による3年生歓迎会を開催することができました。目出度い(笑)。

恒例(?)の本研究室選んだ本音(3年生)に続き、先輩から一言(4年生)が興味深かったです。また、当日はPCカンファレンス北海道2015実行委員会から届いた大鐘君と西田君へのプレゼンテーションスキル賞の表彰式も行いました(曽我代読)。

さあ、4年生は卒業研究の追い込み、3年生は引き継ぎなど頑張ってください。今年は列車の時間の都合などで早めに席を立った学生もいたので、ご覧のような写真になりました。近いうちに全員揃った写真を撮りたいと思います。

さて、来年は…気がはやい?(笑)

本研究室の学生が学会で表彰されました

PCカンファレンス北海道2015(2015.11.14-15,北見工業大学)にて,本研究室の学部生である大鐘君と西田君が以下の研究発表を行いました。

  • 近接通信とウェアラブルデバイスを組み合わせたデジタルコンテンツの表示に関する実験 -千歳水族館を例にして-,大鐘幸一郎,西田理貴,曽我聡起,pp.17-18,CIEC北海道支部,2015

本発表は,彼らの卒業研究の一環として行ったもので,発表は大鐘君,西田君それぞれが行いました。本研究には公益財団法人千歳青少年教育財団千歳水族館様のご協力を得ています。

本学会発表においては,学生発表についてプレゼンテーションスキル賞が設けられています。これは,発表内容や発表態度などを総合的に評価するもので,今回は本研究室の二人が選ばれたものです。努力の甲斐があったと思います。おめでとうございました。引き続き,研究が成就するように努力を続けてください。

追伸:

本学公式ページでも紹介されました。

https://www.chitose.ac.jp/target/toent/001934.html

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中山五輪男様(ソフトバンク社)にご講演いただきました

11月2日,本学B101教室にてソフトバンク社の中山五輪男様にご講演いただきました。これは本学の一年生向け必修科目である「テクノロジー基礎」の授業の一環として行われたものです。当日は不肖私が中山様のご紹介,進行を仰せつかりました。

中山様はソフトバンク社の首席エバンジェリストです。iPhoneやiPadなどのモバイルデバイスやクラウドサービス,ペッパーや人工知能など幅広い分野をわかりやすく紹介してくださいます。日本全国多い時では年間300回ほど講演して回られるということで,この分野では極めてご著明な方です。

今回はソフトバンク社がIBMのワトソンを扱うということで,人工知能に関するお話を,映像やジョークを交えながらわかりやすく紹介していただきました。中山様は大学では人工知能に関する研究をされていたそうです。終了後は昨年講義を聞いたという本学学生が名刺を持って挨拶に来るなど,中山様のお話が本学学生に与える影響は少なくないと改めて実感いたしました。

今回は一年生向けの授業でしたが,私の研究室の学生たちにも聴講するように指示いたしました。サービスサイエンスを取り扱う本研究室で活動をする上で貴重な話を伺えるに違いないと考えたからです。最後はゼミのメンバーと一緒に記念撮影をしていただきました。IMG_8898

中山様,これからもよろしくお願い致します。ありがとうございました。

iOSデバイスの管理

iOSデバイスの管理は数が増えるほど大変です。様々な課題もあります。私の研究室にもiPadやiPod touchなどがありますが,台数は少ない方ですがそれでも管理は大変です。本研究室では基本的にApple Configuratorという管理アプリ(Appleが無償提供)を使って管理しています。管理マシンである研究室のMac Proに14台接続できるUSBハブを繋げています。他にも一度に複数のUSB端末に充電できる充電器を準備しています(キャッチ写真参照)。

日本デジタル教科書学会の論文集が公開されています

今年の8月に札幌で開催され,本研究室の学生たちも参加した日本デジタル教科書学会が大会の論文集を公開しています。

2015年次大会(札幌)発表原稿集を公開いたしました!:http://js-dt.jp/2015年次大会札幌発表原稿集を公開いたしました!/

本研究室では以下の三編を発表しました。

  1. iBooks Authorを用いた施設見学用デジタル資料の試作 Prototype of the facility tour for digital materials using iBooks Author:田中 百香, 藤井 佑梨奈, 曽我 聡起
  2. iBooks Authorを用いた地域の観光資源の紹介 Introduction of local tourist attractions using iBooks Author.:伊藤 遥香, 中谷 美保, 曽我 聡起
  3. デジタルコンテンツの円滑な閲覧方法に関する検討 Study on smooth browsing method of digital contents:西田 理貴,大鐘 幸一郎,曽我 聡起

卒業研究は切迫しています(笑)

アイキャッチ画像をご覧いただけるとお分かりの通り,研究室配属から一年数カ月。いよいよ6名の四年生の卒業研究がピークを迎えています。

詳細はいずれご紹介いたしますが,概ね以下のような研究に取り組んでいます。

  1. iBeaconを用いた千歳水族館のコンテンツシステムの作成:2名
  2. 景観情報を対象にしたVR画像による観光評価に関する基礎実験:1名
  3. 汎用型データベースソフトによるiBooks Author用HTML widgetの自動生成:1名
  4. マルチタッチデバイスの操作が記憶や学習に及ぼす影響に関する基礎実験:1名
  5. 人工知能に関する高校生用デジタル教科書の試作:1名

いずれもかねてより気になっていたことを学生さんたちに取り組んでいただいています。1に関しては,8月の日本デジタル教科書学会についで,11月14日から15日に北見工業大学で開催されるPCカンファレンス北海道で発表します。Beaconも現場に即した内容のコンテンツを考案するとなるとかなり細かなことまで注意する必要があります。

みんながんばれ!

日本デジタル教科書学会学生発表終了

8月11日から8月12日かけて札幌のノボテルで開催された日本デジタル教科書学会で,研究室の学生たちが3件の発表を行いました。

http://society2015.js-dt.jp

何しろ論文を書くことも初めてならば,学会でポスター発表をするのも初めてな学生たちですから,それぞれの締め切りを前に悪戦苦闘でした。しかも,7月末には4年生の必修科目である「輪講」の発表もあるなど大変だったと思います。しかし,こうした経験を積むことで,今後の卒業研究に活かされることがたくさんあるはずです。

ありがたいことに学会ではミニセミナーで「学術論文の書き方」を開催してくださったので,研究室の学生は全員参加を命じました。

苦労の先に見えてきたものがあることを期待したいものです。